第82章 スワン・キャッスルを引き換えにする

星野彩実は箱の中身を急いで確かめようとはせず、テーブルの上のシャンパンを二杯とも手に取ると、花村秋人の目の前へ差し出した。

「秋人兄、プレゼントありがとう」

花村秋人は我に返り、彩実の手元のグラスを見据える。

「お前、成人してるのか?」

星野彩実は一瞬きょとんとしたが、意地を張ってそのうち一杯をぐいっと飲み干した。

「ジュースだよ。ミアが言ってた、ノンアルだって」

売られたミアは顔色を変え、星野彩実を怯えた目で見た。浅倉拓実にだけは言わないでって合図してたのに、どうして花村秋人に言うの――。

しかもこいつ、浅倉拓実より厄介だ。

ミアは慌てて額に手を当てる。

「うぅ……拓実兄、...

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