第83章 解毒薬

「ダメ」

星野彩実は眉をひそめ、花村秋人をじっと睨みつけた。

「顔じゅうに黒い気がまとわりついてる。ツキのなさが滲み出てるのよ。こんなスワン・キャッスル、あんたにタダでくれてやっても、享受する命がない!」

「踏み倒すだけじゃ飽き足らず、脅してくるわけ?」

花村秋人は耳たぶを指でなぞった。

星野彩実の頬がかっと赤くなる。ツンと顎を上げて、

「信じたきゃ信じれば!」

そう言うなり、テーブルのグラスを掴んで一息にあおった。

花村秋人は可笑しそうに肩をすくめる。

「おチビちゃん。兄さん、お前に酒は飲むなって言ってただろ」

星野彩実は残っていた酒瓶を、花村秋人のほうへずいっと押しやっ...

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