第84章 怒っている浅倉拓実

星野彩実は、いったい誰が裏で手を回したのか――それを絶対に突き止めるつもりだった。

そもそも2号個室には、彩実とミアが夜8時には入っている。部屋の中でも何度も水を飲んだが、何も起きなかった。

なのに、花村秋人が来てから急に“ああなった”。

しかも、花村秋人と二人で部屋にいた間、外部の人間が出入りした気配はない。

理解できないからこそ、余計に腹が立つ。彩実は魔術師だ。こんな手で嵌められるようでは、ジェニー先生の顔に泥を塗ることになる。

星野彩実は口の中のゼラニウムを素早く噛み砕いた。

神の額を撫でるような、すうっと澄み渡る清涼感が波紋みたいに広がって、脳裏の濁りを一気に押し流していく...

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