第86章 乾柴烈火

「慌てないで。青木陸斗や星野奈菜が私の酒に幻覚剤を仕込めるってことは、私に恥をかかせたいだけじゃない」

星野彩実は氷みたいに冷えた顔で言った。

「まさか、あいつ……」

浅倉拓実が拳を握りしめ、言葉を継ぐ。

「青木陸斗が部屋に入った瞬間を狙って、現行で押さえる」

彩実は腕を組み、薄く笑った。

「兄さん。あの二人をただ曝すだけじゃ、ぬるすぎない?」

「知ってる? 星野奈菜って、高校の頃からずっと青木陸斗のこと好きでさ。私のこと、あちこちで悪く言ってた。『私の彼氏を奪った』って」

「そこまで死ぬほど愛してるなら、いっそ成就させてあげればいい」

「それじゃ星野家に、新しい後ろ盾ができ...

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