第89章 おじいちゃんはとてもお金持ち

星野彩実はスマホを取り出すと、星野奈菜と星野蘭の顔にレンズを向け、ドアップの高画質写真を何枚も連写した。

「ちょっと、何してんの! 星野彩実!」

星野奈菜が布団の中から手だけ伸ばして、ばたばたと振り回す。

「別に。あとであんたたちが私に泥を塗ろうとしても困るでしょ。証拠、残しとくの」

言い終えると、星野彩実は浅倉拓実の腕にぎゅっとしがみついた。

「行こ、兄さん。この母娘、もう手詰まりだよ。世論と唾で、そのうち勝手に溺れる」

「……あやちゃんの言うとおりだ」

浅倉拓実は妹の小さな指先をちらりと見下ろし、頷いて踵を返した。

数歩進んだところで、ふいに振り返る。

「言い忘れてた。星...

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