第90章 不仲な家族

「えっ? あのジジイ、そんなに金持ちだったの? だったら、なんで今まで言わなかったのよ」

星野奈菜が目を丸くする。

「言う必要がないと思ってたのよ。どうせあの人も年を取るし、いつか死ぬ。死ねば遺産はあなたのお父さんのものになる」

「お父さんのものは、当然、私たちのもの」

「だから、わざわざご機嫌取りに行く必要なんてなかったの」

「でも今は状況が違う。星野彩実に星野家への最後の未練を残させるには、頼れるのはあんたのおじいちゃんしかないわ」

「分かった。じゃあ電話する。でも、お母さん……先に正直に言わなきゃいけないことがある」

「言いなさい」

「今回のオークションで……わ、私、青木...

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