第96章 不思議なアズバーグ

杭城市から京清市までは、車でたった4時間。

星野信夫はほどなく自宅に着いた。

「お爺さん、ここまでお送りしました。お家の中までお連れしましょうか」

浅倉家の運転手・中村光樹は、軍を退役してから浅倉家に仕え、もう10年になる。

普段は浅倉拓実の専属運転手だが、腕っぷしだけなら並のボディーガードを何段も上回る。

ただ身長が175cmと高くはなく、第一印象だけで侮られやすいのが難点だった。

「いやいや、いいんだよ。中村光樹、長いこと運転させて悪かったな。わしは一人で大丈夫だ」

信夫は手をひらひら振り、玄関へ向かいかけて――ふと立ち止まった。

Uターンしようとしていた中村に、慌てて手招きする...

ログインして続きを読む