第6章
仕事が終わった翌日、私は荷造りのために自分のアパートへ戻った。段ボールとそこら中に散らかった私物に取り囲まれていると、スマホがひっきりなしに鳴り続けた。
「美咲、SNS見た?」これで五人目の友人から同じ内容のメッセージが届いた。
深呼吸をして、SNSを開く。最初に目に飛び込んできたのは、投稿からわずか十分で千件以上の「いいね!」がついている、美香の完璧な顔だった。
「お金のためなら何だってする人がいるのね💅 #真実の愛にお金は関係ない #誰のことかわかるよね」
写真は、昨日の私たちの結婚式のものだった。なんてこと、どうやって彼女はこれを手に入れたの?
震える手でコメン...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
縮小
拡大
