第8章

目が覚めると、カーテンの隙間から陽の光が差し込んでいた。まだ夢の中にいるような、不思議な感覚だった。

昨夜の出来事が、まだ現実とは思えない。私たちは、ようやくお互いが本当はどんな存在だったのかを知ったのだ。十五年間も私を待ち続けてくれたあの小さな男の子が、あきくんだったなんて。そして今、その彼が私の隣で、私を腕の中に抱きしめてくれている。

隣で眠るあきくんのほうを向く。その寝顔はとても穏やかで、いつもの真剣な表情とはまるで別人みたいだ。思わず指を伸ばして、彼の眉をそっと撫でてみる。胸の中に、じんわりと温かいものが広がっていく。

「おはよう、あきくん」と、小さく囁く。

すると...

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