招かれざるゲスト

トリスタン視点

玄関のドアをくぐった瞬間、コーヒーの香りとは別の、何かが料理されている匂いがした。カミーユの香水が、ニンニクとローズマリーの香りと混じり合っている。俺は奥歯を噛みしめた。そして、奴の姿が目に入った。ローワンが、俺の家のダイニングテーブルに座っていた。手にはコーヒーマグを握っている。

スーツのジャケットは椅子の背にきちんと掛けられ、ネクタイは緩められ、袖はまくり上げられている。まるでくつろいだ夜を過ごすために腰を落ち着けたかのようだ。カミーユはキッチンにいて、こちらに背を向け、ハミングしている。まるでここがどこにでもある、幸せな家庭の一場面であるかのように。エローナが隣...

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