第7章

早希の視点

 雨が、ひどく降っていた。

 私が死んだあの日と、同じように。

 克人は墓地の外れに膝をつき、全身ずぶ濡れになっていた。警備員が彼を遮り、近づけないようにしている————花子が私の葬儀には絶対に彼を立ち入らせるなと、きつく言い渡していたからだ。

 彼は鉄格子越しに、あの白い棺がゆっくりと墓穴へ下ろされていくのを見つめていた。

 私は宙に浮かび、彼を見下ろしている。

 死人のように青ざめた顔。その双眸は棺を食い入るように見据え、雨水と涙が混ざり合って頬を伝い落ちる。どれが雨で、どれが涙なのか、もう誰にも分からない。

 葬儀は質素なものだった。花子と数人の親戚を除けば、...

ログインして続きを読む