第127章

翌日の夕刻。霧生グループ本社のガラス張りの外壁が、夕陽を浴びて黄金色に染まっていた。

霧生澪と綾瀬茉莉はいつものように並んでエントランスを出て、駐車場へと向かおうとしていた。

二人が階段を降り、広場に出たその時だ。

突如として、心臓が止まるかと思うほどの、耳をつんざくようなエンジン音が夕闇を切り裂いた。

視界に飛び込んできたのは一台のシルバーグレーのセダン。まるで手綱の切れた暴れ馬のごとく、交通ルールも広場に点在する歩行者も完全に無視している。

それは自殺行為としか思えない猛スピードで、明確な殺意を持って霧生澪と綾瀬茉莉の方角へ突進してきた!

残像しか残らないほどの速さ。死の気配...

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