第十三章

「今月の入院費と、それから薬代。もう二週間も滞納されていますよ。綾瀬お嬢様、今回は期日通りにお支払いいただけるんでしょうね?」

マスク越しの看護師の目は、氷のように冷ややかだった。

綾瀬茉莉は狭い受付の窓口にすがりつき、ただひたすらに頭を下げるしかなかった。

「申し訳ありません、あと少しだけ、時間をください……」

「今月もまたお支払いが遅れるようでしたら、退院の手続きをしていただくことになります」

看護師は事務的に病院の規約を確認するよう促した。

綾瀬茉莉は心臓を鷲掴みにされたような苦しさを感じながらも、何度も礼を言ってその場を離れることしかできなかった。

重症病棟の...

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