第十四章

次々と客が訪れる中、綾瀬茉莉は頭を下げてタオルやクラブを渡し続け、まるで透明人間のように振る舞っていた。

実際にやってみて分かったことだが、ボール拾いは人気の仕事で、新入りの彼女は古株たちに太刀打ちできなかった。

それでも、基本給がもらえるだけマシだ。

だが綾瀬茉莉は知らなかった。向こうから歩いてくる御曹司たちの視線が、すでに彼女に注がれていることを。

「あれ、綾瀬家のお嬢様じゃないか?」

最初に口を開いた男が目を細め、他の者たちもその視線を追う。

灰緑色のキャディの制服でも彼女の曲線美は隠しきれず、細い腰とスカートのラインが美しい弧を描いている。

髪は無造作に束ねられているが...

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