第三十七章

綾瀬茉莉は、茶で濡れて滲んだ書類を胸に抱き、早足で会議室を後にした。

廊下の冷気が肌を刺すが、背中からじっとりと滲み出る冷や汗を止めることはできない。

彼女はコピー室へ直行すると、震える指先でパソコンを操作した。

画面が明るくなった瞬間、携帯電話が振動し、霧生澪からのメッセージが届く。

『利益率が改竄されている。元データは四・六%だ。四十九%ではない』

その数値の違和感には薄々気づいていたものの、計算する暇もなかった。だが、霧生澪はすでに正解を導き出していたのだ。

四十九パーセント——その数字が綾瀬茉莉の脳内で爆発したような衝撃を与える。

このプロジェクトの実際の金額を思い出し...

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