第六十五章

霧生澪は彼女がそう出ることを予見していたかのように、皮肉めいた薄ら笑いを浮かべた。

「本気か?」

「東雲様が私に言いがかりをつけているというのなら、監視カメラを確認しましょう。病室にはカメラがあります。どちらが先に手を出したか、一目瞭然です」

綾瀬茉莉は平然と言い放った。

東雲芽依はこの世の終わりのような被害者面を作って訴える。

「綾瀬さん、私を殴っておいて、さらに犯人扱いする気? ひどい、ううっ……」

彼女は論点をずらそうとしたが、霧生澪は鼻で笑った。

「映像を確認してこい」

背後に控えていた藤波秘書が、即座に応じて動き出す。

東雲芽依の顔色がめまぐるしく変わっ...

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