第八十章

霧生澪はその数字に視線を走らせたが、表情からは喜怒の欠片も読み取れなかった。

彼はすぐには答えず、目の前のティーカップを手に取ると、悠然と茶をひと口啜った。

会議室には空調の微かな駆動音だけが響き、沈黙の中で無形の圧力が広がっていく。

星河明の顔から、笑みが少しずつ消えていった。

彼は、沈黙に耐えきれなくなった相手が焦り、譲歩することに慣れていた。

だが眼前の霧生澪は、その年齢に似つかわしくない老獪さを漂わせている。

「そういうことなら……」

いつまで待っても霧生澪からの反応がないことに痺れを切らし、星河明は溜息をついた。提携を受け入れる理由を探そうとしたのだ。

結局のところ...

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