第5章
腹部の傷口が、火で焼かれたかのように熱く痛んだ。息をするたびに傷が引きつり、鋭く、押し潰されるような激痛が全身を駆け巡る。
目が覚めたとき、そこには誰もいなかった。
翔も、麗奈もいない。
無表情な看護師が一人、鎮痛剤のボトルをいくつか無造作にナイトテーブルへ放り投げ、もう退院していいと告げただけだった。
私は、腎臓を一つ失ったのだ。
「高校時代のいじめ」という馬鹿げた嘘のせいで、翔は自らの手で私をあの手術台へと送り込み、麗奈の底なしの強欲を満たすために私の体の一部をえぐり取ったのだ。
その頃にはもう、涙すら枯れ果てていた。
ヨーロッパにある北星総合研究所からの確認...
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