第139章 篠原温人:彼女は自ら証明する必要はない

香村満広「何か手はあるか?」

「消された実験データを直接復元して、削除ログを確認する。削除された正確な時刻を特定して、その時間帯に実験室にいた人間を洗い出せばいい」

香村満広「理屈は分かるけどさ、誰が復元すんだよ。ゴミ箱も空っぽだったし、かなり厳しいんじゃないか?」

桜井雨音「私が、やってみます」

 彼女が最初に口にしなかったのは、復元には時間がかかるからだ。監視カメラを当たるほうが簡単で、速い。

 けれど今は、どう見ても監視映像だけで片づく状況ではなかった。

 桜井雨音がパソコンの前に座り、指がキーボードに触れた、その瞬間。

 篠原温人が、彼女の次の動きを制した。

 皆が訝...

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