第168章 おやすみ、教授

 三人はレストランを出た。

「兄貴、人気者にもほどがあるって。年寄り連中にぐるっと囲まれてさ、ファンが推しを取り囲んでるみたいだった」

 篠原温人は苦笑した。

「利益があるからだよ。偶像だなんて大げさだろ」

 篠原美羽がくん、と鼻を動かす。

「酒、飲んだ? 運転してないよね?」

「少しだけ。運転はしてない」

「ちょうどいい。乗って。温人兄貴と雨音、送ってく」

 美羽の車は路地の入口まで来たが、そこから先は入れなかった。

 桜井雨音と篠原温人は路地口で降り、並んで奥へ歩き出す。

 月は明るく、星はまばら。夜風は熱を含まず、さらりと肌を撫でた。

 静かな路地に、ときおり細い...

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