第169章 話すなら話す、誰が誰を怖がる?

女は言い終えると、ヒールを鳴らして背を向けた。

 御堂伊織は小さく笑っただけで、彼女の言葉など鼻であしらう。

 恋の苦しみ?

 へっ――

 冗談じゃない。

 女が出ていった直後、今度はバーの中から若い娘が現れた。JK風のミニスカート、白く長い脚を惜しげもなく晒し、巻き髪を肩に落としている。作り込まれたメイクも相まって、まるで実体化したフィギュアだ。

「御堂坊ちゃん……」

 甘えるように距離を詰めてくる。拒まれないと踏んだのだろう。

 だが次の瞬間、伊織は身体をひねってすっと避けた。

 そのまま長い腕を伸ばし、篠原美羽の腰を引き寄せて胸元へ抱え込む。

 野次馬モードで面白が...

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