第175章 蘇父蘇母が上京する

 松本春子みたいな横暴な女が、こんな泣き寝入りを飲み込めるはずがない。

 その日のうちに例の不動産仲介の店舗へ乗り込み、若い担当を出せと大騒ぎした。

 ところが店の責任者は、そいつは三日前に辞めてもういない、と告げるだけだった。

 相手がいなければ、どうしようもない。

 それでも松本春子は毎日のように店へ押しかけて喚き散らし、親戚や知り合いまで連れて店先で横断幕まで掲げたという。話を聞く限り、相当な騒ぎだったらしい。

 店長もさすがに参って、最後はその若い男の住所を教えた。

 松本春子はそれを手がかりに押しかけ、案の定、本人を捕まえた。

 だが、相手は少しも怯まない。むしろ、図...

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