第19章 いつまで怒ってるつもり?

 すぐに、その一角には彼女ひとりだけが取り残された。

 幸い、警報が鳴ってから照明はさっきより明るくなり、数歩進めば案内の表示も見える。

 第二エリアを難なく抜けたところで、少し先から人の怒鳴り声みたいなざわめきが聞こえてきた。

 桜井雨音は眉をひそめてそちらを一瞥する。出口に人が集中して、詰まっているらしい。

 ――あそこに混ざって押し出されるべきか。

 迷った、その瞬間。

 背後からも次の波が押し寄せ、逃げ場を失った。

 誰かに肩を押され、別の誰かに足を踏まれる。気づけば雨音は、でこぼこした壁に身体ごと押しつけられていた。胸元まで壁に当たり、痛みに息をのむ。

 そのとき、...

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