第24章 胃病が再発したら医者を探す

 男の手は骨ばっていて、指が長く、妙に綺麗だった。雨音は視線を少し逸らし、彼の買い物カゴの中身を見る。入っているのは、出来合いの惣菜や冷凍のミールキットばかり。

 視線を上げると、持ち主もまた、ちょうど同じタイミングで雨音を見下ろしていた。

 桜井雨音は笑う。

「晩ごはん、まさかそれだけで済ませるつもり?」

「……咳。帰りが遅い日があるだろ。出前を頼む気力もないときは、適当にこれで済ませる」

 篠原温人は淡々と答えた。

「一応計算した。これで一日に必要なタンパク質とビタミン、炭水化物は足りる」

 真面目くさった顔で理屈を並べるものだから、雨音はつい吹き出した。

「なるほど。篠...

ログインして続きを読む