第53章 一支の舞

「仮面舞踏会?」

「うんうん。ホテルの恒例行事で、半年に一回やるの。テーマはその時々で違って、前回はコスプレ舞踏会、その前はハロウィンのホラーハウス。今回はわりと王道だから、ウケもいいし……今夜は人、かなり多いと思う」

 クリスマスが近いせいか、館内のあちこちにツリーが飾られ、イルミネーションもきらきらと灯っている。空気そのものが、甘く浮き立っていた。

 篠原美羽が目を輝かせる。

「さっき外から入ってきたんだけど、もうウェイターさんたち全員、面具つけてたよ! 絶対おもしろいって!」

 美羽が雨音に選んだのは狐。自分には獅子――森の女王。ひと言で言うなら「カッコいい」。

 桜井雨音...

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