第55章 お前も俺とは無関係だ

 柊時宗はふっと笑った。

「俺は俺で追う。お前は気にすんな。試してみなきゃ、結果なんて分からないだろ」

 桜井雨音は眉を寄せる。

「結果が、あなたをひどく失望させるとしても?」

 柊時宗の瞳が、深く沈む。

「それでも……受け入れる」

 まさかここまで頑固だとは思わず、桜井雨音はそれ以上、何も言えなかった。

 柊時宗も彼女の気配を察したのだろう。言葉を重ねず、ただ隣に立って、波の音に耳を澄ませた。

 彼が去ったのは、夜半を回ってからだった。

 桜井雨音の脳裏には、さっきの無言の意地と、静かな執念が残っている。

 柊時宗は、距離感をわきまえた男だ。押しつけがましくもなく、無茶...

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