第61章 彼女は私が育てた薔薇

 ところが男のほうは、極限まで疲れていたのか、目を閉じた瞬間に眠りへ落ちていった。周囲の騒がしさなど、まるで耳に入っていない。

「ワオ!」

 突然、外国人のイケメンが大げさなくらいの声を上げた。

「すっげえ……綺麗だ!」

 瀬戸美月は、彼の視線を追う。

 黒のセパレートで、スカート付きのビキニ。桜井雨音が、脇のビーチハウスから姿を現したところだった。

 首元には、白いシフォンのストールをふわりと巻いている。海風が吹くたび、軽やかに揺れて、目を奪われるほど。

「オーマイガー! 人間シャロンじゃん! 美しすぎる!」

 瀬戸美月は冷ややかに男を見た。

「……そんなに綺麗?」

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