第65章 六年ぶりの帰宅

 桜井雨音はにこにこと目を細め、自分のセンスを弁護するように言った。

「そんなことないよ。今のこの顔、すっごく似てるじゃん」

 彼女は手のひらサイズのフィギュアを持ち上げ、ふりふりと揺らす。篠原温人は思わず吹き出した。

「……いや、今のでちょっと似てなくなった」

 結局、篠原温人は受け取って、きちんと礼を言った。

「ありがとう」

「どういたしまして。ほら、青だよ……」

 ……

 家に戻ったのは、もう深夜だった。

 桜井雨音は出発前に部屋中をぴかぴかに掃除していたし、帰国前にはハウスクリーニングまで予約していた。数日留守にしていたなんて、どこにも痕跡がない。

 シャワーを浴...

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