第88章 大学院入試の成績が出た

 一同がどっと二階へ駆け上がり、音のした方へ向かって桜井雨音の寝室の前まで来る。そこにあったのは、こんな光景だった――

 床にへたり込んだ桜井千秋。脇にはバッグが二つ、口を開けたまま転がっている。人が雪崩れ込んできた途端、彼女はわっと泣き出し、足をばたばたと床に打ちつけた。

 ほとんど、みっともない当たり屋だ。

「アキ、どうしたの……お母さんを怖がらせないで」

 吉田琴音が駆け寄ってしゃがみ込む。

「ほら、まずは立ちましょう?」

「やだ! 今日、桜井雨音が私に謝らないなら、絶対立たない!」

 桜井雨音は鼻で笑う。

「いいよ。じゃあ座ってれば? 寝転んでもいいけど」

「あなた...

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