第105章 一線を画す

「うん」

立花柊はドアを開けた。「先週引っ越してきた、新しいお隣さん」

新谷寒弥はそれ以上何も言わず、立花柊の後について部屋に入った。

立花柊は栗きんとんを取り出して皿に並べ、ついでに小さなケーキも出す。そうして両手でトレーを持ち、リビングへ運んだ。

新谷寒弥はソファに腰を下ろし、彼女をじっと見ている。何か考え込んでいるような目で――ふいに、口を開いた。

「……あの隣人。お前、あいつと仲いいのか」

立花柊の手が一瞬止まる。

「まあまあ。普通のご近所さんだよ」

新谷寒弥は数秒黙ってから立ち上がり、立花柊のそばへ来た。言いたいことがあるのに飲み込んでいるような、複雑な表情。結局、...

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