第120章 本当に借金が

病室に着くと、看護師がいくつか注意事項を手短に告げて、すぐに出ていった。

佐野健邦はベッドに横たわったまま眼球だけを動かし、視線を立花柊へ落とす。

「柊……すまなかった。父さんが悪かった! もう二度と賭けなんてしない! お前の……1億6000万……」

「父さん!」

佐野天勝が慌てて遮り、目配せする。

「まずは治療に専念して。ほかの話はあとで」

だが佐野健邦は聞く耳を持たず、なおも続けた。

「柊はお前の実の妹だろ。言えない話なんてあるか?」

「柊、家の状況は見たとおりだ。兄貴は働いてるっていっても小さな会社だし、当てにならない」

「妹は仕事もない。もっとどうしようもない」

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