第123章 何でもいい

立花柊は瀬戸北斗の執務室、そのソファに腰を下ろしたまま、何度も扉のほうへ視線を投げていた。

胸の内は焦りでいっぱいだ。いっそ佐野静と立花佳織を縛り上げて、知っていることを全部吐かせてやりたい――そんな衝動すら湧く。

室内をぐるりと見回す。前に来たときと、ほとんど変わっていない。

隙のない整然さ。触れれば凍りつきそうな冷たさ。

二十分ほど経ったころ、扉が開いた。

瀬戸北斗の顔に浮かんでいたわずかな焦燥は、立花柊の姿を認めた瞬間、すうっと霧散していく。代わりに、糸のような柔らかさが滲んだ。

「そんなに急いで俺に会いたいって。……俺のこと、恋しくなった?」

立花柊は危うく真っ赤になる...

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