第127章 ピンクのダイヤの指輪

瀬戸北斗はふと振り返り、立花柊を一瞥した。表情は相変わらず涼しいままなのに、目尻と眉のあたりだけ、うっすらと笑みが滲んでいる。

「そんなに嬉しそうにして、どうした」

立花柊は首を横に振り、説明する気もないまま言った。

「オークション、いつ始まるの?」

「今だ」

瀬戸北斗に促され、二人は宴会場の奥へ進む。扉をひとつ抜け、さらに階段を上がって二階の個室へ――中央の、いちばん見晴らしのいい席。

こういう場は初めてで、立花柊は落ち着かない視線で周囲を見回しながら、瀬戸北斗のあとに続いて本革のソファへ腰を下ろした。

瀬戸北斗が今夜のカタログを差し出す。

「気になるものはあるか」

受け...

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