第130章 車を売る

曾我梅は立花柊の反応を見た瞬間、胸の奥がすうっと冷えた。半分、心が折れたような感覚。涙はさっきよりも勢いを増す。

「柊……冷たくしないでよ。私たち、家族でしょう?」

立花柊は困りきった顔で息を吐いた。

「母さん。1億6000万なんて、そんな簡単に出せる額じゃない。私にも……そんなお金、ないよ……」

曾我梅はさらに泣き崩れ、柊の手をぎゅっと握って離さない。爪が手の甲に食い込み、白い跡がいくつも残った。

「柊、あの人は確かにろくでもない。でも……それでも、あなたの実の父親なのよ! 1億6000万なんて普通の家庭には天文学的な数字だけど、あなたは違うでしょう? 大企業で働いてて、お金持ち...

ログインして続きを読む