第133章 彼女を追い詰める

ユニバ・グループの今年度ガラは、例年の控えめな路線をあっさり捨てた。開催一週間前から全ネットで大々的に煽り、あえて“ただのビジネス晩餐会”を世間の視界へ押し上げるつもりが見え見えだった。

ユニバ・グループ本社、最上階の社長室。

空気は静かで、重い。

季原青陽は遠慮という概念をどこかに置き忘れたまま、軽く二度ノックして、返事も待たずにドアを押し開けた。だらりとした足取りでデスクの前まで来る。

瀬戸北斗は、たった今まで海外と通話していたスマホを置き、視線だけを上げた。声は短く、低い。

「……例のものは?」

「これな」

季原青陽はスーツの内ポケットから、青いベルベットの小箱を取り出す...

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