第138章 反転

二日酔いの頭痛に引きずられるように、立花佳織はぼんやりと目を覚ました。鼻先にまとわりつくのは、見知らぬホテルの香水の匂い。

昨夜の男は二人とも顔が良くて、身体もいい。手つきも上手かった。

自分だって、存分に楽しんだ――はずだった。

けれど「楽しみすぎた」代償は容赦ない。全身がだるく、筋肉の奥まで痛む。

「ベイビー……」

佳織は気怠げに呼んだ。

返事はない。

「……どこ行ったの?」

返ってきたのは、嘲るような笑い声だった。

佳織は背筋がぞくりとして、勢いよく目を見開く。

ベッド脇の椅子に、瀬戸宏知が座っていた。片手でスマホを弄びながら。

心臓が締めつけられる。佳織は反射的...

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