第147章 進退窮まる局面

立花柊のひと言の詰問が、坂東敏恵の張りつめた仮面を一瞬で叩き割った。

坂東敏恵は顔面から血の気を失い、視線を落とす。

「……立花佳織さんに呼び出されたんです。母の手術代にって、六百万を貸してくれて……私、どうしようもなくて」

坂東敏恵は一切ごまかさなかった。立花佳織との取引を、最初から最後まで吐き出す。

話を聞き終えた立花柊の胸には、当然、怒りが湧いた。

けれど坂東敏恵の瞳に浮かぶ後悔と葛藤を見れば分かる。彼女は根っからの悪人じゃない。ただ、現実に追い詰められただけだ。

命をつなぐ金と、実母の命。

その一方で、相棒としての情。

二つを天秤にかけた末、彼女は道を踏み外した。

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