第16章

許しを得ると、保坂心月は立花楓に鼻を鳴らし、得意げにドアを押し開けて入っていった。

部屋に足を踏み入れるなり、甘ったるい声を響かせる。

「北斗、大丈夫? 事故に遭ったって聞いて、心配でたまらなかったんだから」

だが、そこに立花柊也の姿を見つけた瞬間、保坂心月の顔色がさっと変わった。残りの言葉は喉につかえ、そのまま止まる。

「……なんであんたがここにいるの?」

思わずこぼれたその一言に、胸の奥がざわつき始める。

立花柊也も立ち上がった。

驚いているのは、彼女とて同じだった。

「心月……どうしてあなたが?」

さっき耳にした話。

そして、これまでの保坂心月の不自然な態度。

そ...

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