第175章 危険な決断

都心の最高級レジデンス。

立花佳織はスマホの画面を指先で何度も、何度もなぞり続けていた。顔色は沈み、近寄りがたいほどに陰っている。

保坂心月に連絡を取るよう命じてから、もう一週間近い。

なのにこの数日、心月はまるで蒸発したみたいに音沙汰がない。電話はずっと「おかけになった電話は……」の機械音声。繋がる気配すらなかった。

焦燥が蔦のように心臓へ絡みつき、胸の底の不安が濃くなる。

待つのは終わりだ。

佳織は歯を食いしばり、周防徳勝へ発信した。保坂心月の愛人――あの男が、心月の行方を知らないはずがない。

コールが繋がる。

佳織は怒気を隠しもせず、いきなり核心を突いた。

「周防徳勝...

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