第30章

立花柊の思考は、ドアを叩く音で遮られた。眉をひそめる。この時間に、いったい誰が――。

立ち上がって扉を開けると、そこに立っていたのは保坂心月だった。

意外すぎて、立花柊は目を瞬かせる。慌てて中へ通した。

心月は両手に大きな紙袋をいくつも提げて上がり込み、何気ない調子で言う。

「柊、家にいるなら電話出てよ。何回もかけたのに、ぜんぜん出ないんだもん。残業してるのかと思った」

「ほら、こっち来て」

心月はソファに腰を下ろし、袋をテーブルにどさりと置く。いつもの勢いのまま、立花柊を手招きした。

「これ全部、流産予防の薬と栄養のやつ。ぜーんぶ海外の。お医者さんにも聞いたから、安心して飲ん...

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