第50章 どうしてここにいるの

季原青陽の声が受話器越しに響いた。

「よう、ボスが自分から電話してくるなんて珍しいじゃん?」

返ってきたのは、瀬戸北斗の沈んだ声だけだった。

「出てこい。飲むぞ」

LXクラブ。

季原青陽は、グラスを次から次へと胃に流し込む瀬戸北斗を見ながら、内心で舌を巻いた。

――恋に溺れて自滅コースってやつ?

いつまで引きずってんだよ。いい加減、腹括れ。

季原青陽はスマホの連絡先を開き、こっそり立花柊に電話をかける。呼び出し音が鳴って、向こうが出たのを確認すると、そのままスマホを大理石のテーブルに伏せ置きした。

「ボスさ、本気で立花柊が好きなら追えよ。毎晩俺呼び出して、湿気た酒飲んでんじ...

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