第65章 うまく付き合う

立花楓は手にしていたファイルを差し出し、抑揚のない声で告げた。

「調べがつきました。保坂心月は周防徳勝に追い出されたあと、以前の住まいには戻らず、立花嬢名義のマンションに移っています」

瀬戸北斗はファイルを受け取る手を、ほんのわずかに止めた。

「立花佳織か」

声は淡い。感情の色は、ほとんど読めない。

「はい」

立花楓はそのまま報告を続ける。

「保坂心月のここ最近の出費は、すべて立花嬢のブラックカードで賄われています」

瀬戸北斗は眉間を寄せた。

「周防徳勝のほうは」

「最近はあちこちに手を回して、必死に口利きを頼んでいるようです。手持ちの大型案件がいくつも厳しく洗われていて...

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