第71章 母娘

警察の到着は早かった。赤と青の回転灯がショッピングモールの正面で二周ほど光を散らし、パトカーが一台、立花柊の目の前にぴたりと停まる。

若い警察官が二人降りてきて、まず目に入ったのは、階段の段差にしゃがみ込む立花柊と、彼女の肩にもたれかかっている老人だった。

そのうち年上に見えるほうが小走りで近づき、老人の顔をじっと覗き込む。数秒見つめるほどに見覚えが増していくのに、どこで見たのかがどうしても出てこない。

「おばあさん、お住まいはどちらですか」

もう一人の警察官がその場にしゃがみ込み、声をできるだけ柔らかくして尋ねた。

老人はぼんやりと彼を見返した。濁った瞳は何の反応も示さない。けれ...

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