第79章 贅沢な望み

立花柊が遠くからこちらへ歩いてくる。

パーカーにデニムのショートパンツ、足元はビーチサンダル。肩の力が抜けた、いかにも部屋着の延長みたいな格好だった。

「こんな時間に外でごはんって、ちょっと遅くない?」

昨夜、瀬戸北斗が言ったあの一言のせいで、彼女は今日一日、きちんと身支度をして家で待っていた。

服は二時間かけて選び、メイクは一時間半。――なのに、日が落ちるまで一通のメッセージすら来ない。

ようやく諦めて、ラフな格好に着替えてゴミを捨てに降りた。

自分から連絡したら、勝手に期待してたみたいで嫌だったから、あえて何も送らなかったのに。

それで、いま目の前に本人がいる。

腹が立た...

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