第86章 反抗

立花柊は、血に染まったリボンの花蕾を掲げた。指先の傷口からは、まだじわりと赤が滲んでいる。

「このリボンの花蕾、誰かが安全ピンで留めたものです。ネックレスは中に隠してあった。最初から私に罪を着せるつもりで、用意されてたんです」

保坂琴美は腹の底で歯噛みしながらも、顔には一切出さない。

「罪を着せる? ここにいる誰も、あなたがそのドレスを着ているところなんて見てないわ。最初からリボンが付いてたかどうかも、分からないでしょう」

間を置かず、さらに刺す。

「それに……それがあなたの自作自演じゃないって、誰が証明できるの?」

「琴美さん!」

立花昭沙の声が、鋭く跳ね上がった。

「ここ...

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