第039章 俺に容赦しないでくれ！

「何があったの？」強い不安感が武内夕子を包み込み、心臓の鼓動さえコントロールできないほど速くなっていた。

「午後のあの若い患者に何かあったの」

田中笑美は焦りの表情で続けた。

「午後あなたが行った後、患者のお母さんがどうしても転院させたいって言って、仕方なく同意したんだけど」

「ただの脳震盪だから、他の病院に行っても大丈夫だろうと思ってたの。でも、さっき救急センターから電話があって、ある私立病院の患者が手術中に大量出血したって」

「患者の情報を確認したら、あの若い患者だったのよ。彼のお母さんが私立病院に連れて行って手術を受けさせたなんて！」

田中笑美は怒りを隠せない...