第130章香奈への最初の平手打ち

香奈の顔色が、瞬く間に変わった。声も抑えきれなくなり、甲高い声で叫んだ。

「紗雪、どうしてあなたがここにいるの?!」

 紗雪は彼女に一瞥もくれず、馬の首を撫でながら、冷たく応えた。

「私がどこにいようと、あなたに報告する義務はないはずだけど?」

 香奈は苦々しい表情を浮かべ、声を張り上げて問い詰める。

「さっき、この馬はあなたのものだって言ったけど、どういう意味?」

 紗雪は冷淡な口調で言った。

「もちろん、言葉通りの意味よ」

 香奈の顔が、さっと険しくなった。

 彼女はふと、ある可能性に思い至った。

 まさか、この馬は朔也が自ら紗雪に与えたもの?

 朔也も来ているの?...

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