第167章 風間姓でなくてもよい

浅見紗雪はその声を聞いた瞬間、全身がびくりと震えた。

すぐさま振り返ると、そこには、長身の男に抱かれた陸斗が、外から入ってくるところだった……

親子は先ほど、階段の踊り場で出会ったのだ。

一人は階下へ、もう一人は階上へ向かう途中、ちょうどこの階にたどり着いたのである。

陸斗はその場でパパに告げ口をした。「おばあちゃんが夜、有無を言わさず僕を車に乗せて、ここに連れてきたんだ。おばさんはきっとすごく心配してるはずなのに、今はパーティー会場でいじめられてるみたい!」

風間朔也は道中ずっと気を揉み、その顔色は終始沈んでいた。

息子のその言葉を聞くと、すぐに彼を抱き上げ、こちらへ急いで駆け...

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