第177章 彼女だけにはどうしようもない

浅見紗雪は彼と一瞬視線を交わすと、すぐに淡々と逸らして陸斗に答えた。「うん、起きたわ」

陸斗はきゅっと口を引き結んで微笑むと、駆け寄って浅見紗雪の太腿に抱きついた。「ママ、おはよう!」

昨夜の知らせは彼の病状に大きな影響を与え、陸斗は目に見えて活発になっていた。

その嬉しそうな表情を見て、浅見紗雪の顔にも優しい笑みが広がる。

彼女はしゃがみ込むと、柔らかくて愛らしい陸斗を抱きしめ、その額にキスをした。そして、同じように笑って言った。「おはよう!」

愛娘のことも忘れてはいない。陸斗にキスをした後、隣にいる鈴にもキスをする。「鈴もおはよう!」

鈴はこくりと頷き、幼い声でママに尋ねた。...

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