第248章 朔也、行かないで!

その一言に母娘は凍り付いた。

鈴に至ってはスープを喉に詰まらせてしまう。

咳き込み続ける鈴の背中をさすろうと、紗雪は慌てて箸を置いた。

隣にいた小川さんがその様子に気づき、とっさに駆け寄って鈴の背中を優しく叩いてくれる。

紗雪は、先ほどの朔也の言葉を反芻していた。

この男、まさか一晩中怒りを溜め込んで、わざとこの瞬間を待っていたというの?

紗雪は朔也を無視し、ティッシュで鈴の涙を拭ってやる。

鈴は咳き込んだせいで涙目になっており、その小さな表情はこれ以上ないほど可哀想に見えた。

ようやく落ち着くと、鈴は口を開いた。「おじさん、あの時は緊張しちゃって、それで間違えて呼んじゃった...

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